ヤクルトのドラフト1位、寺島成輝投手(18=履正社)が、早くも山田先輩を超える。9日、埼玉・戸田市内で始まった新人合同自主トレで、1軍キャンプ発進が決定した。練習を見守った真中監督が「ウチにはないパターンだけど、雰囲気になじむ意味でも連れて行きたい」と明かした。高卒新人の1軍キャンプ参加は09年の赤川以来。履正社の先輩にあたる山田も、1年目は2軍スタートだった。寺島は「結果を求めすぎないで、期待に応えたい」と気を引き締めた。

 初日から風格を漂わせた。キャッチボールでは「高校の時から続けていて、6種類くらいある」というルーティンを披露。肩甲骨や股関節を意識しながら、横投げやスナップスローなども交えて感触を確かめた。首脳陣や多くのファンの視線を集めたが「緊張はしなかった。まだ最初でメニューも軽いほうだと思うので、特にキツくもなかった」。ランニングで仲間が膝に手をついても、苦しそうな表情は見せなかった。

 体力には自信がある。アピールポイントを問われると「体の強さです」と即答。監督も「ガッチリした体で、いい足をしている。落ち着いていて、ずぶとさも感じる」と目を細めた。56年の牧野(東映)以来となる高卒新人開幕投手も夢ではない。【鹿野雄太】