巨人マイルズ・マイコラス投手(28)が新たな一面を見せた。

3回までパーフェクトに抑えたが、4回に3連打で1失点。昨季までならイライラが爆発するところだが、5回からクールな投球を展開。投球モーションを速めて、打者のタイミングを巧みに外した。「軽い気持ちで感覚的に試してみようと思った」。感性を働かせて5回を3者凡退とし、3安打1失点と上々の内容でまとめた。

 2月27日の「先生」の話を胸に刻んでいた。沖縄キャンプの宿泊先でのバッテリーミーティング。講師に立ったのは長年、第一線で捕手を務めてきた阿部だった。自分の世界観を持つマイコラスの琴線にも触れる内容だった。「阿部さんが打者のタイミングを外す工夫の話をした。球種で外すのは基本だけど、足の上げ方や細かいところでの外し方を考えながらやってきた」。創意工夫をすぐにマウンドで体現。もともと、独特の間を持つ投手だが、自在に間を変化させ、幅を広げた。

 もちろん基本スタイルは崩さない。「細かいところにこだわりすぎて、球の質を落としたらダメ。いい球の質を投げられるように工夫したい」。昨季は右肩痛で開幕に間に合わず、大きく出遅れたが、今年は貯金を計算できる状態にある。高橋監督も「順調に来ているのでは」と盤石の内容を認めた。