前日18日西武戦で右内転筋を痛めたソフトバンク松坂大輔投手(36)が19日、驚異の回復を猛アピールした。前日の試合後は右太ももをアイシングでグルグル巻きにし、失意の表情でバスへ乗り込んだ。一夜明け、笑顔でウォーミングアップに参加。外野の右翼と左翼のポール間をランニングし、元気にキャッチボールも行った。「動きで判断してください」と明るい表情で話した。

 あまりにも元気過ぎる松坂にファンも驚きだったが、工藤監督は「昨日は内転筋を冷やしていたから、ああいう歩き方になっていた。ケガとかではない。マッサージも受けていたし、普通に動けるとは思いました」と冷静に受け止めた。

 開幕ローテーション争いから脱落した松坂だが、首脳陣は中継ぎ起用は考えていない。先発陣のバックアップ要員として、21日の投手練習にも参加するなど今後も1軍で調整する。千賀、武田、バンデンハークがWBC決勝ラウンドに進むなど、不確定要素はまだある。工藤監督は「オープン戦後に(開幕まで)4日間ある。開幕3連戦に投げない投手にはファームで投げてもらう。何が起きるか分からない。可能性はゼロではない」と話す。松坂も状況、立場を十分理解しているからこそ、今は状態を再び上げていくことに専念する。日本復帰3年目。今年の松坂は目の色が違う。【石橋隆雄】