中日先発の吉見が1球に泣いた。1点リードで無失点投球を続けていた6回2死一塁。梶谷への初球、真ん中に入った真っすぐを捉えられ、バックスクリーンに逆転2ランを運ばれた。「結果的に言うと、あの1球が悔やまれる。勝つためには1-0しかなかった」と唇をかみしめた。5回まで1安打とDeNA打線を抑えていただけに、悔しい2敗目となった。

 今季初登板の2日巨人戦は、6回につかまり6失点KO。そこから1週間できっちりと修正した。低めにボールを集めて凡打の山。今季初勝利は近づいていた。だがすべては1球で暗転した。「打者心理を考えればボールでも良かったかもしれない。たらればですけど。コントロールミスですね」。梶谷の1球への反省が、止まらなかった。

 攻撃陣が先制点を取った5試合は3敗2分けとまだ勝利がなく、先発陣の白星もゼロ。7回を投げ終わった吉見は「勝ちたいから8回もいくと言った」と続投を直訴した。結果的に7回1死二塁の好機で自身に打席が回り、代打を送られた。だが味方の攻撃終了までベンチの最前列で身を乗り出し、勝利を願った。

 森監督は「あの1球。本塁打じゃなかったら救われていたかもしれない。それ以外は吉見らしいいい投球をしてくれた。これを続けてくれたらいい」と責めなかった。吉見は「負けると悔しい。フラッシュバックするけど、前を向いてやっていくしかない。自分のかたち、やりたいことはできている」とリベンジを約束。次回こそ、初勝利をつかみ取る。【宮崎えり子】