西武中村剛也内野手(33)は低めの速球をシャープに振り抜いた。3点を奪い、なお1死一、三塁で迎えた5回。球足鋭い打球で三遊間を破った。一挙6安打8得点のビッグイニングにつなげた一打。「ボール気味だったので、危なかったですけど。流れに乗ってランナーをかえせてよかった」とうなずいた。

 これで開幕から16試合連続安打。54年にレインズ(阪急)がマークしたリーグ記録の20試合連続まで残り4に迫る。記録更新に興味は示さないものの「伸ばしていくのに越したことはない」と言う。淡々とした言葉には、打撃内容に結果が伴う手応えがにじんだ。

 状態の良さは練習法に表れている。昨季までは故障で悩まされた膝を考慮し、自転車型トレーニング器具で下半身に負荷をかけてきたが、今季はグラウンドでのランニングに変更。今までよりクッション性が高いアップシューズを履いて膝への負担を軽減させながら、黙々と汗を流す。

 辻監督からも絶大な信頼を置かれる。5回の適時打前に「(直前の)浅村が歩かされたら打つぞ」と予言。その通りの結果となった。「おかわりの状態は本当にいい。5回も、あれだけ集中打するのは難しいが、チャンスをつくる選手がいて、かえす選手がいる。どっしりとした4番がいてくれるのは大きい。ずっと打ち続けてほしいよ」。

 中村の代名詞である本塁打も、ここ8戦で5本と量産モード。「4番中村」のバットが、チームを力強く押し上げていく。【佐竹実】

 ▼開幕からの連続試合安打 97年に和田豊(阪神)がマークした24試合連続が最長記録。4月5日の開幕戦から5月3日まで打ち続けた。次ぐのが99年井上一樹(中日)で21試合。パ・リーグは54年レインズ(阪急)の20試合が最長。