ノースアジア大(秋田)のドラフト候補左腕・木場涼佑(4年=金足農)が岩手大との開幕戦に先発し、毎回の14奪三振2安打1失点(自責0)で完投勝利を挙げた。左腕が遅れて出てくる独特のフォームから、三振14個のうち10個を空振りで奪った。「三振は狙ってたわけじゃない。金森コーチ(栄治、60)に勝利をプレゼントできてよかった」と淡々と振り返った。

 4月に就任して即「金森効果」とはいかなかった。得点を奪ったのは、10安打中4安打を集中させて3点を奪った5回のみ。ベンチ前の円陣でゲキを飛ばした打撃担当の元西武・金森コーチは「まずは勝ててよかった」と胸をなで下ろしつつ「まだ何も分からない状態」と、手探り状態であることを明かした。

 スタンドからはプロ7球団が熱視線を送った。巨人柏田貴史スカウトのスピードガンでは143キロを計測し「去年より良くなった。曲がりの大きいスライダーがコーナーに決まっている」と絶賛。だが木場の目標は揺るがない。「自分の進路よりもまずはチームの優勝。春で勝って神宮に行きたい」と意気込んだ。