甲子園ではヤクルトにドラフト1位指名された履正社の寺島成輝投手(18)と投げ合い、1回戦で敗れ去った。「悔しかった。プロにいくような選手に負けたくない」と引退後も練習を続けた。注目の進路は地元山口から遠く離れた東北・宮城の地を選んだ。「4年後にプロへ入るために、福祉大に入学してきた」と決意は揺るがない。山野を抜てきした元西武の大塚光二監督(49)も「こんなに球が速いとは思わなかった。能力がめちゃくちゃ高い」と絶賛する。4年後まで、歩みを止めないで成長を続ける。

<仙台6大学・その他の注目新人選手>

 ◆東北福祉大・元山飛優 佐久長聖で2度の甲子園出場を誇る元山が「7番遊撃」で8日の東北大戦で開幕スタメンをつかみ、3打数1安打デビューだ。「飛優」の名は、父誠司さんから「飛び抜けて優れるように」との意味を込めて授けられた。強肩巧打の遊撃手は「3年になるまでには大学NO・1になっておきたい」と豪語する強心臓ぶりも魅力だ。

 ◆東北福祉大・小林亮太 小林は9日の東北大戦で山野と1年生バッテリーを組んだ。倉敷商では甲子園の出場はなかったが、持ち前の強肩が評価されて先発を勝ち取った。意外性のある打撃で3安打3打点と満点デビューを果たし「少しでも多く試合に出て、経験を積みたい」と胸を張る。山野については「あんな球、見たことないですね」と脱帽した。

 ◆仙台大・今津涼 今津涼内野手(仙台育英)が68人の新入部員でただ1人先発の座を勝ち取った。「2番DH」で出場した8日の東北工大戦では2安打1打点。高校では甲子園に出場できず、高3夏は背番号14で代打の切り札だった。引退後に木製バットで練習を続けたのが実り「大学ではスタメンで出たかった。リーグ優勝に貢献したい」と意気込む。