決勝のヒーローこそ22歳の北條に譲りはしたが、3、4番のベテランが存在感を見せつけた。3番糸井が今季3度目の猛打賞で好機をつくり、4番の福留が一振りで応えた。

 2点を追った3回。1死から能見が四球で歩き、さらに2死一塁から上本が4球ファウルで粘った末、9球目で四球を選んだ。2死一、二塁で糸井が一、二塁間に放った強烈な打球は一塁ビシエドがつかんだが、ジョーダンがカバーに入るより先に糸井が一塁ベースを駆け抜けた。つないで、広げた2死満塁の絶好機。福留がジョーダンの143キロ直球を中前にはじき返し、2人の走者を迎え入れた。

 「前のバッターが粘ってつないでくれたチャンスだったので、なんとか返したかった」。不惑の4番の責任感が言葉ににじんだ。

 40歳になった4月26日のDeNA戦が雨天中止になり、家族で焼き肉を囲んで誕生日を祝った。翌朝、長男颯一(はやと)君(9)と長女桜楓(はるか)ちゃん(6)からの手紙がテーブルに置いてあった。「勉強頑張るから、パパも頑張って下さい」と活躍を願う思いが書かれていた。同27日DeNA戦から4試合連続安打。不惑を迎えても、攻守でチームへの貢献度の高さは変わらない。

 この日、劣勢を振り出しに戻しても「能見に勝ちをつけてあげたかった。能見が点を取られたのは野手のミスだったのに。次はオレたちが能見に借りを返さなければ」と悔やんだ。意識の高さも変わらない。

 3安打で福留に好機をつないだ糸井も「よっしゃー! 疲れた~」と仕事を終えた表情で、ロッカー室へ。接戦を勝ちきって4月を締めた。5月も3、4番が引っ張る。【堀まどか】

 ▼阪神は14勝10敗の貯金4で3、4月を終了。この時点での貯金4以上は、14年の貯金9(19勝10敗)以来、3年ぶり。同年はレギュラーシーズンを2位で終え、CSを勝ち抜き日本シリーズに進出した。なお金本監督1年目の昨季は、14勝14敗2分けの勝率5割だった。