交流戦前にセ各球団へ、あいさつ代わりの1発だ。ソフトバンク上林が19試合ぶりの7号3ランで試合を決めた。2点リードの7回1死一、二塁。「1球目(低めカーブ)を空振りした残像が残っていて崩れたけど、いっちゃえと。自分のスイングができた。うまく拾えた」。崩されながらも低めの143キロカットボールを右中間スタンド中段まで運んだ。

 工藤監督も目を見開いた。「相手は外野に打たせたくないと低めに投げてくるが、彼にとっての(得意)ゾーンに入ってくる」と解説。低めが得意な上林にとっては好都合だと喜んだ。3回無死三塁の第1打席では高めチェンジアップを中堅へ先制の二塁打。9回にも外角高めを二塁内野安打と高めも苦にせず今季3度目の猛打賞をマークした。

 開幕から49試合中46試合に出場しリーグ10位の打率3割1分3厘。7本塁打、24打点で右翼のレギュラーに定着した。工藤監督は「期待以上の働き。交流戦でも上林君がいい働きをしてくれると期待している」と交流戦のキーマンに指名した。

 もっともDeNA、巨人、広島の9試合はセ本拠地のため指名打者が使えない。デスパイネが左翼を守ることになり、左翼の中村晃か右翼の上林が控えにまわることになる。プロ4年目で初のレギュラーを務め、疲れはピークにきているが、21歳の若鷹がセの脅威になりそうだ。【石橋隆雄】