5月24日巨人戦で左腕吉川光の直球が顔面に直撃。鼻骨を2カ所折った。「骨、折れてたわ」。兵庫・尼崎市内の病院で診断された直後、妻の携帯に電話を入れた。子供たちが涙を流して心配する場面を想像してしまいがちだが、「全っ然!」と笑って振り返る。

 「なんで、あんな小さなボールが当たっただけで、骨が折れるの?」

 小学1年生の長女から無邪気に問いかけられた。小学5年生の長男に至っては「また?」だ。家族は父の強さを知っている。腰骨や肋骨(ろっこつ)を折っても、試合に出続けた姿を目に焼きつけている。今年もまた、パパは強い。

 チームは11安打11得点で3連勝。首位広島との1ゲーム差を守った。金本監督は「向こうはエース。なかなか点を取れないな、というのはありましたけどね。トリの3ランと(6回)糸井のタイムリーが大きかった」と納得顔。若手が勢いづけ、ベテランが決める。虎のかみ合わせが、いい。【佐井陽介】