<オープン戦:巨人3-2オリックス>◇3日◇宇部

 オリックス迎祐一郎外野手(26)が、プロ9年目のレギュラー獲りに前進した。4回2死二塁で巨人栂野から左翼線へ先制適時打を放つと、7回にも越智から得点にからむ中前打。2回の第1打席では左手首付近に受けた死球が跳ね返って右手も負傷したが、痛みに堪えての大当たりとなった。

 これで対外試合は打率4割となり、3試合連続打点と絶好調。外野は中堅坂口と右翼浜中がほぼ当確となっているが、村松との左翼争いで1歩リードした。コリンズ監督も「試合に出さない手はない。候補の1人と評価」と3月20日西武戦で初の開幕スタメンを任せる可能性を口にした。

 「僕も開幕に出るつもり。今年ダメなら最後の覚悟でやってますから」。99年伊万里商からドラフト3位で入団。1日に日本ハム中田がオープン戦で高卒新人8年ぶりの初打席初本塁打を放ったが、00年にダイエー斉藤和巳を撃って快挙デビューした人物こそ迎だった。だが以後は1軍控えと2軍の往復。昨年は日本人初のウエスタン3冠王に輝くほど打ちまくったが、上からお呼びは掛からなかった。

 「2軍はもういい。家族のためにも頑張らないと」。昨年オフ、小学校時代からの幼馴染み、ゆかりさん(26)と遠距離恋愛を実らせ結婚。一念発起した今キャンプは朝8時台の早出から顔を出し、深夜も納得いくまで振り込んだ。テーマは1軍の壁となってきた速い真っ直ぐとキレある変化球への対応。水口打撃コーチと取り組むバットの出し方やタイミングの取り方をモノにしつつある。

 「練習がそのまま結果に出ている」。遅咲きの男は3月20日を文字通りの“迎春”にする意気込みだ。【松井清員】