<オープン戦:阪神7-3広島>◇5日◇京セラドーム

 赤星らしい追悼の表現だった。初回にいきなり中前打で出塁。3回には俊足を生かし一塁への内野安打を放つなど3安打。オープン戦チーム初の猛打賞となった。守備でも中前のライナーをランニングキャッチ。攻守で全力プレーを島野コーチに捧げた。「とにかく勝ちたかった。どんな形でも塁に出ようと思った」。生前には何度も食事に連れていってもらい、外野の守備や投手のクセなど話は尽きなかった。一流選手へ育ててくれた故人への思い。葬儀では涙を浮かべ、出棺を見送った。

 試合前の誓い通りに、天国へ勝利を届けた。新たな決意が胸に湧き上がってきた。「勝ったことを喜ばれていると思う。優勝を報告したい。最後は誰かが写真を持って胴上げされるのもいい」。亡きコーチの遺影とともに迎える歓喜の瞬間を思い描いた。