鉄人「おかわりくん」を襲名だ。11日のオリックス戦(スカイマーク)で側頭部死球を受け、左ほお骨を骨折した西武中村剛也内野手(24)が、13日ソフトバンク戦(サンマリン宮崎)の強行出場を直訴した。痛みが残り、食事も限定される厳しい状況でも、フェースガードを装着して出場する覚悟でいる。開幕から全40試合に先発出場。首位固めを狙うチームにとっては頼もしい限りだ。
ヘルメットの割れた破片が突き刺さった左耳には、痛々しい傷あとが残る。骨折した左ほおの腫れは、それほど目立たない。「もともとこういう顔なんで」と笑わせた中村には、覚悟ができていた。「痛みは昨日よりマシになりました。明日の出場?
もちろん出ます。基本的に無敵ですから」。痛みで話しづらそうにしながらも、出場への意欲をたぎらせた。
移動日のこの日は大阪から宮崎入り。宮崎市内で精密検査を受け、脳などへの異常は見られなかった。とはいえ、一般的には全治約4週間。骨折したまま強行出場を希望するが、山本トレーナーは「打球などが直接患部に当たらなければ、プレーできると思う」と話した。球団はフェースガードを用意。05年に右ほお骨を骨折し、完治しないまま出場した中島が使用したものを装着させ、ケガを防止する。
ほかにも問題はある。「口がうまく開かなくて、めん類しか食べられない。腹が減るんですよねえ」と困り顔だ。うどん、パスタなどを食べたが、めん類だと腹にたまらず、すぐに空腹感に襲われる。ごはんを腹いっぱいに食べてパワーを爆発させるタイプだけに、食事の制限はある意味、骨折よりも痛い。頭部死球を受け、投球への怖さなど影響が懸念される中、食事の方が心配事だ。
今季は開幕から不動の「6番三塁」で全40試合に先発出場。2割4分1厘、17打点、8本塁打はリーグ5位タイ。「おかわりくん」でブレークした05年の22本塁打を超える29本ペースで量産し、首位を走るチームの中核を担う。前夜は痛み止めを飲んだが、右太もも裏を肉離れした大久保打撃コーチを引き合いに出し「象にも効く痛み止めの座薬を打ってるコーチもいますからね」と痛みと向き合う覚悟でいる。「本人が出ると言うなら、出すつもり」と同コーチ。つかみかけたレギュラーのチャンス。自分から手放すつもりはない。【柴田猛夫】



