<オリックス3-4日本ハム>◇27日◇京セラドーム大阪

 ベテラン勝負師が、一緒に日の丸を背負う後輩を救った。日本ハム稲葉が揺れに揺れた、シーソーゲームにケリをつけた。2-2の8回2死一、二塁。吉野のシュート系のボールに逆らわず、左前へ運ぶ。勝ち越し、終わってみれば決勝の2点打。ともに昨秋の星野ジャパンでともに戦い、8月の本大会でも金メダルを目指す力投のダルビッシュへ8勝目をプレゼントした。その前の6回の第3打席では同点打と、要所で火を噴いた。

 「みんなが何とかしたいという気持ちが伝わって集中した」。8回は2度の送りバント失敗という嫌なムードを一掃した。打線の援護が少ないエースに対して「いつも悪いことをしている」と肩身の狭い思いをしている、そんな野手全員の思いを乗せた2本の適時打だった。最後は薄氷を踏む1点差勝利。「とても疲れました」と苦笑いだったが、少しは気苦労がなくなった1日だった。