<ソフトバンク2-4楽天>◇28日◇福岡ヤフードーム

 私服に着替えを終えたソフトバンク王監督が、力を込めて言った。「しゃーない、切り替えてまた行こう」。今季4戦目となる本拠地福岡ヤフードームの延長戦で、初の黒星。デーゲームでは首位西武、2位日本ハムまで敗れていた。首位まで1・5ゲーム差に肉薄するチャンスを延長12回の末に逃した。

 延長12回は5番手のニコースキーが、いきなり死球とボークで得点圏に走者を許した。失った初回の1点、6回の2点目、そして延長12回の2点は、すべて四死球による走者で、無死からの先頭打者を出していた。王監督は「先頭を出さないのは鉄則なんだけど。全部、点に結び付いたからね」と指摘したが、敗因は別に求めた。「とにかく点がなさすぎ。投手は頑張った。点が取れないね、本当に」。打者44人で9安打2得点の打線を嘆いた。

 2回に同点に追い付き、3回には勝ち越したが、ともに1点どまり。19日のヤクルト戦で7回に3得点を奪ったのを最後に、4試合連続で1イニングに1点しか記録していない。6戦連続で2点差以内の接戦。試合を一気に決める、爆発力に欠けている裏返しでもあった。「これから夏場になると投手陣は、ますますへばる。打線がカバーしないと」と王監督。試合前には「今年は8、9月が勝負と言ってたけど、8月は五輪もあるから、実際は9月が勝負。そこで挑戦権を持ってるかどうか、ですよ」と「9月反抗」を掲げていた。その計画も機能する打線を前提に描いているはずだ。【中村泰三】