<阪神8-3中日>◇1日◇甲子園

 「秋田の悪夢」を消し去った。勝利の方程式は、すぐに修復された。6月29日のヤクルト戦で崩壊した渡辺、久保田、ウィリアムスが鮮やかな「0封リレー」で復活した。

 渡辺は慣れないお立ち台で緊張していた。しかし、その場にふさわしい大きな仕事を成し遂げた。5回、先発アッチソンが乱れて追いつかれ、なお無死一、二塁のピンチで緊急登板。「気持ちです」という気迫の投球で、中日の攻めを断ち切った。秋田では初戦で今季初めて本塁打を打たれ、2戦目も1点リードを消してしまった。「取り返す」思いに燃えていた。

 渡辺

 2試合連続でやられていたんで…。今でも引きずってます。打たれた試合は全部。でも納得した投球を続ければ、それを振り払える日がくるかな、と。いつかそんな日が来れば。

 「JK」も続いた。29日に1イニング4失点と炎上した久保田は、6回から登板し2イニングを封じた。許したのは1安打。3三振を奪う力投だ。

 久保田

 今日みたいなピッチングを続けていかないと。

 そしてヤクルト打線には初球を狙われて打たれたウィリアムスも、きっちり修正してみせた。先頭に谷繁にこそ安打されたが、続く平田を併殺に仕留めた。

 ウィリアムス

 相手が真っすぐを狙ってくるのは分かっていた。これまで直球のスピードに重点を置きすぎていたから、動きを重視して投げた。

 揺らいだ信頼はすぐに取り戻す。かすかな不安は、あっという間に消滅した。【佐井陽介】