<ヤクルト7-4巨人>◇6日◇神宮

 ヤクルト期待のルーキー佐藤由規投手(18)が巨人戦でプロ初勝利を挙げた。プロ2度目の先発で6回を2安打3失点、8奪三振の力投。ドラフト制後では高卒ルーキーの巨人戦初登板初勝利は史上8人目となった。8月30日横浜戦のプロデビューでは2回途中6失点KOされたが、打線の奮起で黒星つかず。この日も代打を送られた6回裏に3点勝ち越し、2試合続けての強運で記念の白星を飾った。

 運を味方に付け、由規が本拠地デビュー戦でプロ初勝利をつかんだ。同点にされた直後の6回裏だった。雨が強くなったところで福川の3ランが飛び出すと、ベンチでこん身のガッツポーズだ。代打を送られ、次の7回から救援陣へマウンドを託すことが決まっていただけに、幸運な白星が舞い込んだ。由規は「雨が降ってきたり、(追加点へつながる相手の)エラーがあったり、正直ついていると感じます」と笑った。

 「当たって砕けろじゃないけど、挑戦者の気持ちでいきました」。巨人相手にプロ入り後最速タイの155キロをマークするなど、大胆な攻めの投球を見せた。5回1死までパーフェクトピッチング。高橋由に初安打となる左越えソロを浴びても動じなかった。6回には疲れが出て、小笠原へ押し出し死球。ラミレスの右犠飛で同点とされたが、高橋由を150キロの内角直球で二ゴロに仕留め、ピンチを切り抜けた。6回まで被安打2、毎回の8奪三振の快投で、その後の勝ち越し点へとつなげた。

 8月30日横浜戦は2回途中6失点で降板するホロ苦デビュー戦だったが、黒星は付かなかったた。高校時代からあこがれ、サインボールを実家に飾っている楽天田中も、デビュー戦で同じ2回途中6失点KO。しかも黒星も付かなかった共通点に、「自分も次で何とかしたいですね」。プロの洗礼にもショックはなく、むしろマー君と境遇をダブらせて前向きだった。

 田中はデビュー4戦目で初勝利を挙げたが、2試合早い初白星。しかも巨人戦初登板初勝利の高卒ルーキーは、ドラフト制後では史上8人目だった。巨人戦の連敗を8で止めた由規に、高田監督は「誰も抑えられなかった、あの巨人打線を抑えたんだから、100点を付けてもいい。これからも思い切って使っていける」と絶賛。ラッキーボーイの誕生に、「前回も負けが付かなかったし、何かあるんじゃない」と、その強運の持ち主と強調した。

 次回は中6日で再び13日巨人戦(東京ドーム)での先発が濃厚だ。「ここで終わっちゃいけない。(巨人も)対策をしてくるだろうけど、自分の投球をできるようにしたい」。先頭打者へ四球を与えるなど課題も残って、内容には考え抜いた末に「難しいです」と得点を付けなかった。初勝利の余韻に浸りながらも、次回「100点」と言える内容の勝利を誓った。