ソフトバンクが「ヘビ男」に続いて「火踊り男」を補強した。新外国人選手として、メッツ傘下3Aニューオーリンズのクリス・アギーラ外野手(29)の獲得を23日、発表した。1年契約で年俸は5000万円(金額は推定)。今季3Aで29本塁打を放ったアギーラは、野球以外では「ポリネシアン・ファイア・ナイフダンス」が特技で、少年時代にはカジノや結婚パーティーでも踊ったという経歴を持つ。ソフトバンクは、ニシキヘビをペットにするレンジャーズのカメロン・ロー投手(29)の獲得にも成功しており、異色の助っ人プレーヤーが加わる。

 サモアの伝統舞踏「ファイア・ナイフダンス」が、ソフトバンクの新たな名物になるかもしれない。「広いホームグラウンドと聞いているので、アグレッシブなプレーでみんなの期待に応えるよう精いっぱい頑張りたい」と球団広報を通じてコメントを発表したアギーラには、野球以外の特技があった。少年時代に教わった「ファイア・ナイフダンス」だった。

 アギーラはサモア系米国人で、3Aニューオーリンズの公式ホームページの記事では「家族とポリネシアングループに入り、カジノや結婚式、パーティーで踊っていた」とコメント。「ファイア・ナイフダンス」はサモアの伝統舞踏で、両端に火を付けた、ナイフのような武器を使う、激しい踊りだ。

 もちろん、ダンス以上に得意なのが野球だ。メジャー通算3本塁打だが、今季は3Aで116試合に出場し、打率2割9分5厘、29本塁打、73打点をマーク。竹内孝規COO(48)が「走攻守のそろった選手で、右方向にも打てる。右翼がメーンだが外野はすべてできるし、起用しやすい。クリーンアップ候補です」と主軸に期待すれば、王貞治最高顧問(68)も「大きな動きをする方じゃなく、打球が速く、いい打球を打つ」と評価した。

 新外国人選手では、先発候補として、レンジャーズのカメロン・ロー投手と契約で合意に達しているが、こちらは体長2メートルの巨大ニシキヘビがペットという異色右腕だ。セットアッパー候補のファルケンボーグ、残留したホールトン、とこれで外国人4選手の入団が確定。「これで終わりではない。あとは王顧問から指示のある大物野手も探してる」と竹内COOはさらなる外国人補強に乗り出す方針を示した。今後は先発投手を含めて調査を継続するが、「ヘビ男」「火男」をしのぐ「大物」を獲得するかもしれない。【中村泰三】

 ◆クリス・ルイス・アギーラ

 1979年2月23日、米カリフォルニア州レッドウッドシティー生まれ。マクイーン高校から97年ドラフト3巡目でマーリンズ入団。04年にメジャー初昇格し、通算149試合、打率2割3分、3本塁打。今季メッツでは8試合出場に終わったが、同傘下3Aニューオーリンズ・ゼファーズでは116試合で打率2割9分5厘、124安打、73打点、29本塁打、13盗塁を記録している。家族は妻。180センチ、90キロ。右投げ右打ち。