日本代表の広島石原慶幸捕手(29)が30日、初めて本拠地のマツダスタジアムで練習を行った。ナインはすでに何度も足を踏み入れているが、正捕手はWBCに出場していたため初登場。ナイター練習の開始前に、約30分の特打を行うなど意欲的だった。また、左太もも裏の張りを訴えて前日29日のソフトバンク戦出場を回避した栗原健太内野手(27)も練習を実施。打撃練習ではサク越えを放つなど、回復ぶりを見せつけた。主力が本拠地に勢ぞろいし、開幕に向けて準備を整える。

 野望あふれる新球場に、役者がそろった。ナイター練習の開始前。初めて濃緑のフィールドに足を踏み入れた石原が打撃ケージでバットを振り込んだ。4・10本拠地開幕を控え、30分間のリハーサル。左翼フェンス手前で打球が失速すると、苦笑いで「アアッー」と叫ぶ。昨季まで本拠地だった広島市民球場より両翼ともに約10メートル伸びた新球場の広さを体感した。

 石原

 いい球場ですね。前の球場よりも広いと思いました。イメージは全然、なかったですから。(配球面で)自分のなかでは球場が広いのは、プラスになる部分もある。早くこの球場で野球をやりたいですね。

 広島市民球場で細心のリードを心がけてきたが、新球場でも姿勢は変わらない。しかし、フィールドが広くなった分だけ、大胆な攻めをできるのも事実だ。若い投手陣を引っ張る司令塔の頭脳が、新たな環境でどう生きるかも注目だ。米国から帰国後、27日からはオープン戦のソフトバンク3連戦にフル出場し、10打数5安打だった。開幕に向けて「全開モード」の正捕手が着実に準備を整える。

 もう1人のWBC戦士である栗原も、帰国後初めて新球場で練習を行った。前日29日は左太もも裏の張りを訴え、ソフトバンク戦の出場を回避していた。一夜明けて、この日は一塁の守備練習を行ったほか、フリー打撃でもサク越えを披露。周囲に回復ぶりを示した。

 栗原

 大丈夫です。昨日(29日)よりもいい。(故障の個所は)以前、痛めたことがある個所です。いままでこの手の張りはないですね。(ダッシュについては)様子を見ながらです。

 開幕直前の時期だけに、慎重に回復を図る方針だ。オープン戦から好調を維持したカープナインが広島に戻り、この日は本拠地で調整を行った。一丸態勢を築き、開幕ダッシュを期す。【酒井俊作】

 [2009年3月31日11時57分

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