トラの来季4番は白紙!?

 阪神真弓明信監督(56)が4番金本知憲外野手(41)を中心とした今季のクリーンアップを白紙に戻すと宣言した。13日に大阪市内の電鉄本社で坂井信也オーナー(61=電鉄本社社長)にシーズン終了の報告。その後は4位に終わった今季は投打ともに課題が山積で、得点力をアップさせるために打順改造の可能性に触れた。ここ6シーズン主砲を打ち続ける金本も4番の座が不動ではなくなった。

 チーム大改革の幕開けなのか。恒例のオーナー報告で今季のけじめをつけた阪神真弓監督が、勝負の2010年シーズンに向けた構想を語った。借金6で5年ぶりBクラスとなる4位からの再出発。そこに、守るべき聖域はなかった。

 真弓監督

 クリーンアップで言えば、シーズンが始まるまでに補強をしたりする。現時点では白紙でしょう。4番もそうなる。

 前任の岡田監督が指名した04年オフから阪神の4番は6年間、金本だった。昨オフに就任した真弓監督も迷わず金本に主砲を託した。同時に鳥谷を3番、新井を5番に置くクリーンアップ構想をいち早く公表したが、それぞれが不振の時期を抱えるなど、攻撃力アップには結びつかなかった。来季の挽回に、まず固定概念を持たずにチームを作り直すことを決めた。

 「いったん白紙」にはしたが、現状では金本を置いて、他に4番候補が見当たらないのも現実だ。打率2割6分1厘こそ03年の阪神移籍後ワーストの成績だった。それでも21本塁打、91打点は今季もチームトップだ。リーグでも断トツに多い88四球は、主砲の存在感を示している。来季も金本が4番最有力なのは、真弓監督も認めている。

 真弓監督

 今の時点で金本に代わる選手はいない。補強でも4番を打つ選手は簡単に獲れない。今の選手が4番に挑戦するのはいいとしても、1年ぐらいでは難しい。

 対立候補を探せば日本人なら新井、桜井、助っ人なら来季残留が確実なブラゼルに、獲得の準備を進めている新外国人の大砲だ。まだ見ぬ新外国人を除き、現在の力量を比較すれば、シーズンを通じて4番を任せられる人材は金本に落ち着く。ただし、来年で42歳になる金本を脅かすスラッガーを、獲るか育てるかしなければチーム改革は始まらない。そこが10年阪神の大きなポイントとなる。

 金本自身は今季の屈辱を晴らそうと、このオフもストイックにトレーニングに励む予定だ。ここ2年間は左ひざの手術を行い、満足のいく体調ではなかった。絶対的な練習量の不足が成績を下降させたが、復活する下地はある。指揮官が白紙に戻した「トラの4番」に意欲の衰えはまったくない。

 さて来季の4番は?

 クリーンアップの顔ぶれは?

 真弓監督はゼロベースからチーム再建に取り組む。

 [2009年10月14日11時35分

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