<ヤクルト4-3巨人>◇23日◇神宮

 お立ち台にヤクルトのヒーロー3人が上がった。増渕竜義投手(22)、松岡健一投手(28)、林昌勇投手(34)のリリーフ陣だ。1点リードの7回から継投で巨人の反撃を無安打に封じ、逃げ切った。9回は阿部の中堅方向への大飛球も、林昌勇の速球に力負けして失速。小川監督代行は「最後はヒヤヒヤしたけど…。本当に投手がよく踏ん張ってくれました」とたたえた。

 中でも増渕の力投が光った。7回も登板する予定だった館山が6回の走塁で故障。その直後からブルペンで準備を始めた。7回は下位打線だったが、相手に流れを渡せない局面を12球、3人で仕留めた。「前の僕なら緊張して崩れていたかもしれない。今は気持ちを切らさず、腕を振ることだけを考えています」と胸を張った。この日は登板はなかった押本と合わせ、この4人のリリーフ陣は最近12試合でわずか1四球、10試合で無失点と抜群の安定感を誇っている。

 負ければ自力優勝が消滅する一戦で、確立されつつある「勝利の方程式」で首位巨人を下した。「勝つにはこういう接戦で勝った方がいい。勝ってかぶとの緒を締めるということ」と小川監督代行。打線に加えて、投手陣も上昇気流に乗り始めた。【由本裕貴】

 [2010年6月24日8時19分

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