<巨人8-3阪神>◇21日◇東京ドーム

 どこまで飛んで行くのか。完ぺき過ぎる1発に、虎党で埋まる左翼席は静まり返り、打球の行方を見守った。そのわずか数秒後。右翼3階席に白球が飛び込んだ。阪神金本知憲外野手(42)が、推定飛距離135メートルの特大弾を放った。

 距離もでかければ、価値も大きい。同点の4回。カウント1-1から力勝負できた巨人福田の146キロ直球を、真芯で打ち返した。両手に残った感触に手応えを感じ取っていたのだろう。打った瞬間だけ打球の行方を確認し、その後は視線を下に落としたまま、ゆっくりとダイヤモンドを1周した。「いいポイントで振り抜けた」。5試合ぶりとなる11号ソロは、好投するルーキー秋山に勝ち越し点をもたらす1発でもあった。

 通算打点は1447となり、歴代10位の「元祖鉄人」こと衣笠祥雄(広島)の記録にあと1と迫った。15日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)では、こちらも広島の大先輩となる山本浩二の通算安打数(2339本)も追い抜くなど、1本、1打点の重みが高まる。

 「打球がヒットコースに飛び出した。打球も上がり始めた。と言うことは、下(下半身)を使って打てているということ。本来の感覚を思い出したんじゃないかな」。打率は2割3分3厘にとどまるが、金本の打撃が上向いてきたことを和田打撃コーチは収穫ととらえた。

 右肩痛で万全の状態ではないものの、ここまでの11本塁打のうち先制、勝ち越し、逆転、決勝といった肩書付きの本塁打が6本と勝負強さは健在だ。秋山を援護しきれず、2位巨人、3位中日との差がまた詰まってしまった1戦。これから始まる「本当の戦い」に、広島から移籍後2度のリーグ優勝をもぎ取った金本の力は欠かせない。

 [2010年8月22日10時50分

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