クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージを突破した巨人原辰徳監督(52)が18日、下馬評を覆す快進撃を誓った。20日開幕のファイナルステージでは中日に1勝のアドバンテージが与えられている上、決戦の場は9連敗中のナゴヤドーム。圧倒的不利な状況にも「(中日に)ひと泡吹かせたい」ときっぱり。映画「十三人の刺客」のように、チーム一丸となって圧倒的不利をはね返す決意を示した。

 表情は穏やかでも、視線は鋭かった。阪神撃破から一夜明けたこの日は完全休養日。芦屋市のチーム宿舎で遅めの朝食をとった原監督は、次なる敵へと照準を切り替えた。1敗のハンディを背負ってスタートする戦いを勝ち上がるのは容易ではないが、周囲が考えるほど悲観はしていない。「確かにハンディはあるけど、ひと泡吹かせたいと思っている」と、言葉に力を込めた。

 重圧が違う。負けても失うものはない。勝てばシーズン中の借りを返せる上に、セ・リーグを代表して日本シリーズを戦う“ボーナス”が得られる。「これまで巨人はずっとシーズン1位でCSを戦ってきたから、その苦しさを身に染みて分かっている。でも今年は3位。ここからは希望しかない」。鬼門のナゴヤドームへの苦手意識も「ない。去年はうちが勝ち越しているし、短期決戦とレギュラーシーズンでは違うから」と断言。まったく別の戦いと割り切っている。

 趣味の映画観賞が、思いがけないリフレッシュにもなった。原監督はレギュラーシーズン終了後の休日、映画館に足を運んだ。数ある作品の中から選んだのは役所広司らが出演する「十三人の刺客」。暴君の悪行を阻止するため、たった13人で数百人の軍勢に挑んだ男たちの姿に、今の巨人が重なって見えた。

 原監督

 素晴らしい映画だった。彼らは勇気と緻密(ちみつ)な戦略で苦境を乗り越えたんだ。13人の中には、1人として「生きて帰ろう」なんて考えた刺客はいなかった。

 選手たちには命をかけて巨大な敵に立ち向かう「勇気」が、そして指揮官には常に相手の1歩先を行く「戦略」が求められる。この2つの要素がかみ合えば、必ず勝機は見えてくる。19日、原監督はベンチ入りメンバーの「二十八人の刺客」とともに決戦の地・名古屋に入る。【広瀬雷太】

 [2010年10月19日9時35分

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