<セCSファイナルステージ:中日5-0巨人>◇第1戦◇20日◇ナゴヤドーム<平成の名将対決

 落合監督VS原監督>

 リーグ優勝の中日とファーストステージを勝ち上がった巨人が激突したクライマックスシリーズ(CS)。CSでは07年から4年連続となる因縁の対戦となった。巨人原辰徳監督(52)、中日落合博満監督(56)の2人にスポットを当てる「平成の名将対決」を今シリーズ中連載し、短期決戦での起用法、采配に迫る。巨人は1番坂本が試合直前に腰痛で欠場するアクシデントが発生。原監督は今季初めて遊撃を守る古城茂幸内野手(34)を抜てきしたが実らなかった。

 ハンディを背負うシーズン3位の巨人にとって、初戦の黒星はただの1敗ではない。事実上の2敗目。試合終了後、原監督はベンチ裏の通路を歩く間に、悔しさを胸の奥にしまい込んだ。声を荒らげたりすることもなく「(1回の失点は)重い4点になりましたね。打線も、あと1本が出なかったですね」と淡々と振り返った。

 坂本勇人内野手(21)の名前が今季147試合目で初めて先発オーダー表から消えた。打線の火付け役である「1番坂本」の不在は痛い。だがそれ以上に「遊撃坂本」を失ったことが衝撃だった。坂本はここまでフルイニング出場を続けていた。つまり、守備の要であるこのポジションを、今年1年間、チームでは坂本以外に誰も守っていない。だが緊急事態に慌てることなく、代役に「古城」の名前を書き込んだ。

 原監督は古城がキーマンになると読んでいた。内角球に腰を引かず、むしろ踏み込んでいく闘争心あふれるプレーが、短期決戦ではガラリと風向きを変えることがある。シーズン中の先発出場はわずか16試合も、CSファーストステージでは2戦とも二塁でスタメン起用した理由を「彼は短期決戦に向いている。あの逃げないスタイルがこういう試合で大切」と説明した。

 古城は5度の守備機会を無難にこなしたものの、2回にフライの目測を誤るプレー(記録は安打)があった。打撃では7回無死一塁の場面で痛恨の併殺打。気迫は空回りしたが、原監督は「(坂本は)明日以降も体調が良くないのであれば、他の選手の方が上、ということ」と、2戦目以降も臨機応変な用兵で臨む考えを示した。

 投手起用でも、短期決戦用のローテーションを組んだ。東野峻投手(24)を中3日で先発させた。前日から内海哲也投手(28)にまったく同じ練習のダミー調整をさせる徹底ぶりで、中日ベンチに揺さぶりをかけた。結果は出なかったが「東野にはたくましく成長していってほしいから」と、次の登板機会が訪れることを信じ、期待を口にした。

 名古屋に乗り込む前に「(3試合制の)阪神戦は1つしか負けられない状況だった。でも、今回は最大で6試合。2つ負けられる、という考え方ができる」と語った。まだまだ、希望は捨てていない。「チャンスがある限り全力で戦う。明日はまたニュートラルな状態に戻して、しっかり戦いたい」と、反攻を誓った。【広瀬雷太】

 [2010年10月21日9時6分

 紙面から]ソーシャルブックマーク