やっぱり統一球は飛ばないのか!?

 昨季47本塁打の阪神クレイグ・ブラゼル内野手(30)がキャンプ初日に今季から導入される「飛ばないボール」とガチンコ対決した。フリー打撃68スイングで柵越え11本。フェンス直撃の惜しい当たりが9本あり「打球が失速?」と不安を呼んだ。キングを狙う助っ人は「まだ初日、気にしていない」と難敵克服に腕ぶした。

 じりじり照りつける日差しを浴び、ブラゼルが丸太のような両腕を振る。沖縄の青空に快音が響く。キャンプ初日のフリー打撃。右中間最深部に、センターバックスクリーン左にズドン、ズドンと放り込む。おなじみの柵越えショー。ただ1つ気になる点が…。

 68スイングで柵越えは11発。気がかりは「行ったか」と思いきやフェンスに直撃した当たりが9本もあった。今季から導入される「飛ばない」とされる統一球との初対決。怪力助っ人でさえ打球が失速?

 ブラゼルは笑顔で反論した。

 ブラゼル

 まだ初日。今日どうこう言うのは難しい。そんなに去年と比べて違うわけじゃないと思うよ。アメリカではほとんど外で打たなかったし、投手の球も打っていない。今は分からないよ。

 まだ「慣らし」の初期だと強調した。マスコットバットで感触を確かめた程度だろう。昨年2月3日のフリー打撃が13本の柵越えだったことを思えば、フェンスオーバー11本は上々ともいえる。だが、油断は大敵。和田打撃コーチは新球に対して警戒を強め、ミート力向上の必要性を説く。

 和田打撃コーチ

 違うね。打ち損じでのホームランは少なくなる。打感が柔らかいし、音も良くない。飛ばないと思うと打者も力む。いかに芯で捕らえるかが大事。

 備えあれば憂いなし。どちらにせよミート率が上がれば、さらなる強打者に成長できるのは間違いない。

 ブラゼル

 シーズンに入ったら飛ぶか飛ばないか分かると思う。今、ボールどうこうは全然考えていないし思ったほど気にしていないよ。

 昨季はいずれもリーグ2位の47発で117打点。自信はある。自然体で確実性を向上させた先に、10年からの前進がある。ブラゼルは統一球にも負けない。【佐井陽介】

 [2011年2月2日11時28分

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