楽天田中将大投手(22)が28日、東日本大震災の被災者へ向けメッセージを送った。4月7、8日の日程で仙台へ帰り、復興の手伝いをするチームスケジュールが決定。「1度仙台に行って、分かることがあるはず」と本拠地へ戻る日を心待ちにした。「今だけじゃない。長期的にできることがあるはず」と、東北のみんなをずっと支えていくつもりだ。

 ほっともっとフィールド神戸での練習を終えると、テレビ画面はがれきの山となった三陸沿岸を映していた。見つめながら田中は「テレビを見ていても、野球はなかなか報じない。テレビを見ることができない方も多いはずです」と言った。避難所生活を強いられている人々を思いながら、「今だけじゃない。長い目で、長期的にできることがあるはず。小さなことでも、ずっと。少しでも元気になれるように支援を続けていきたい」。復興まで寄り添うことを約束した。

 もどかしさがあった。地震が発生した11日、チームは長期遠征中で兵庫・明石にいた。「本当はすぐに戻りたかったんですが。スケジュールがあるし手段もなかった。非常に難しい立場」と、駆けつけることが許されなかった状況をわびた。チームとして4月7、8日に仙台に戻り、微力ながら手を貸すことが決まった。「1度行って、分かることがあるはず。直接見て考えて、意見を出し合って。1人でやっても仕方がないので」。元気な顔を見せて、元気を分けて。そこから腰を据え、出来ることを考えていく。

 避難所には背番号18のジャンパーを着て、イーグルスの帽子をかぶって寒さをしのいでいる人がたくさんいる。プロ野球選手は常に大衆に寄り添い、礎となる存在であることを、22歳の青年は知っている。今日29日は西武との練習試合に先発する。抱負は「中途半端は失礼に当たる。ユニホームを着ているときは、野球に集中」だった。仕事をこなしながら思いをはせ、みんなが待ちわびている仙台へ帰る。【宮下敬至】