勝利の方程式入り見えた!

 中継ぎに転向したソフトバンク大場翔太投手(25)が、またしても無失点投球だ。ロッテとの練習試合に、3回から2番手で登板。先発小椋の乱調で予定よりも早い登板となったが、落ち着いた投球で2イニングを無安打無失点に抑えた。

 ここまでオープン戦と練習試合に9試合登板し、12イニング無失点。07年ドラフト1位で入団以来、くすぶり続けていた右腕が新境地で花を咲かせようとしている。

 「今日は直球がよかったです。今日くらいの直球が投げられれば多少甘くてもストライクが取れる」。

 誰もがうらやむ150キロ近い剛速球を持ちながら、まったく生かせていなかった。昨季まで3年間で4勝。正念場と自覚した今季のために、オフはエース和田に弟子入りした。

 自主トレでは技術の前に私生活での甘さをいくどとなく指摘された。意識の低さに気づかされ丸刈りにもなった。だが、それでも配球や調整法など、和田の“頭脳”も吸収しようと必死になった。この日マスクをかぶった山崎も、そんな右腕の成長を感じ取った。

 「去年までに比べてかなりいい。カットボールがあるから、直球も生きるようになった」。

 直球を生かすために、オフにカットボールを習得した。4回に新人の伊志嶺を新球で遊ゴロに仕留めるなど、力だけに頼らず打たせて取ることを覚えた。

 摂津の先発転向や甲藤の離脱もあり今季は中継ぎ転向したが、プラスにとらえている。「失われた3年間」を取り戻すために、勝利の方程式入りしフル回転するつもりだ。高山投手コーチは「本人も意識しているんじゃないですかね。継続して結果を出している」。大器が「4年目の逆襲」をはじめる。【倉成孝史】