直球一本で挑んでこい!

 日本ハムの4番に座る中田翔内野手(22)が、今日3日のヤクルト戦(神宮)で先発濃厚とみられる由規投手(21)の狙い球をキッパリと言い切った。「アイツは、めっちゃ速い。直球を待つしかない」。4番を打つようになってから、6試合連続で打点はなし。現役日本人最速を誇る同じ「平成元年組」との公式戦初対決で、記念すべき“4番初打点”をマークする。

 日本ハム中田は、相手投手の名前を聞いた途端に目の色が変わった。「え?

 明日(3日)の先発、由規なん?

 アイツは、めっちゃ速い。真っすぐだけなら日本で一番速いんちゃう?

 ダルさん(ダルビッシュ)より速いよね」。飛行機を待つ新千歳空港で、公式戦では初となる同学年対決へ思いをはせた。

 ロッテ唐川も加えて、プロ入り前から“高校ビッグ3”と注目を浴びたライバルだ。プロ入りから4年。由規はセを代表する若手右腕になった。中田もレギュラーの座をつかみ、現在は4番に座る。由規との対決はオープン戦で過去4試合あるが、1軍の公式戦では初めて。今回の対決は、試合の位置づけも、周囲の期待や責任の重さも全く違う。

 由規相手には「三振してばっかりや」。オープン戦ではルーキーイヤーの08年の初対決から、5打席連続三振を喫した。「アウトコースの真っすぐとか、無理やもん」とやや弱気な口調でおどけたが、本音は別のところにある。「真っすぐを待つしかない」。そう、決めている。

 4番に座ってからは6試合連続で打点なし。安打よりも打点を重視しているため「キツイっすよ…。チャンスでまわってきた時に4番としての仕事が出来たらいいんだけど」。絶好調の投手陣は、5試合連続完封勝利のプロ野球タイ記録が懸かる大事な一戦だ。中田の4番初打点が、記録樹立への強力なアシストとなるのは間違いない。【中島宙恵】