<ソフトバンク1-4オリックス>◇30日◇福岡ヤフードーム

 オリックスの主砲T-岡田外野手(23)が復活の号砲2発を鳴らした。2回にホールトンから右中間へ先制ソロ。7月30日の西武戦(西武ドーム)以来、1カ月ぶりに放物線を描くと2点差に詰め寄られた8回にも神内からソロ。不振にあえいだ昨年の本塁打王はヒーローインタビューで復活について「そうですね。本当に打つべき球を打ったと思う。これからもしっかりこういう打撃をしたい」と話し、復調を宣言した。

 激動の2週間だった。16日のソフトバンク戦で3三振し、2軍落ち。翌17日に福岡から神戸へ無念の帰還となった。小3時に野球を始めた「山田西リトルウルフ」がチーム結成40周年を迎え、14日に吹田市内で記念式典があった。ビデオレターで出演し、後輩たちを激励した矢先の降格に「情けなかった」と唇をかんだ。1000人以上いるOBで唯一のプロ選手。当然、憧れの存在だ。がむしゃらにはい上がって放った2発は、後輩たちへのメッセージでもあった。

 復活宣言を出したT-岡田の働きでチームは連勝。6連戦を白星で滑りだした。「4番を打たしてもらっているし、期待に応える打撃をしたい。残り試合は少ないけど何が起こるか分かりません」。チームの元気印である23歳の大砲がCS進出争いを引っ張っていく。【押谷謙爾】