中日ドラフト1位高橋周平内野手(18=東海大甲府)に3日、遊撃プランが浮上した。プロ入り初めて遊撃でノックを受け、高木守道監督(70)から併殺時のトス指導も受けた。基本は三塁だが、将来大型遊撃手に育つ期待と、チーム内の有事に備えた練習だ。フリー打撃では72振で安打性40本、柵越え5発とまたまた先輩選手を圧倒した。

 期待のドラ1高橋周に、ビッグなオプションが増えた。遊撃の兼任だ。シートノックでプロ入り初めて、井端弘和内野手(36)と遊撃を守った。渡辺内野守備走塁コーチは「両方やらせます。若いんだから可能性がある」と説明した。基本は三塁が大前提としながら将来、大型遊撃手になる可能性も試す育成計画と明かした。

 高木監督が「体型的にサードでしょう」と三塁発進させたが、数カ月前まで高校では遊撃手として名を売ってきた。打撃に加え、守備範囲の広さと強肩も代名詞で、ドラフトで3球団が競合した。18歳が持つ無限の可能性を、三塁だけと決めつけるのはもったいない。宇野勝、立浪和義、井端弘和と続く竜の名遊撃手の系譜。この3日間の動きで将来、名を連ねる期待を抱かせた。

 遊撃井端に有事が起きた際の保険にもなれる。「セカンドもやるかもしれませんよ」と渡辺コーチ。二塁経験はほとんどないが、マルチな対応能力も秘める素材との高評価だ。

 高橋周

 僕はやれと言われたところをやるだけです。(監督に)ノックしてもらえるだけでありがたいです。センスがないんで、1回で覚えられないですが。

 三塁用グラブながら、初の遊撃守備を軽快にこなした周平に、高木監督は初めて直々ノック。「最初の構えからしっかり」「そんなトスの仕方じゃいかん」「間一髪のダブルプレーが取れんぞ」。併殺時の二塁送球を想定し、直接指導で手本を示した。元名手が現役時代に培ったノウハウを注入。すべてが大きな期待の表れだった。

 高橋周

 期待に応えられたらいいですけど…。(監督は)ユニホームを着たら目つきとか雰囲気が全然違う。おじいちゃんと同じぐらいの年齢だけど全然若いし、年の差も感じません。

 熱い思いを受け取った午後のフリー打撃では、快音を連発。72振で右中間への5発の柵越えを披露した。バスター練習でも異例の本塁打性をカッ飛ばした。日に日にベールを脱ぐ新たな野球センス。やはり、魅力いっぱいの大物だ。【松井清員】