最速153キロ右腕、楽天のドラフト2位釜田佳直投手(18=金沢)が7日、今年初めてブルペン入りし、実力の片りんを見せた。昨年10月の国体以来約4カ月ぶりの投球練習。ゆったりしたフォームから、キレのある直球を36球投げ込み、「久しぶりにマウンドで投げられて、とてもうれしかったです。少し力が入ってしまいました」とあどけない笑顔を見せた。

 昨夏甲子園で3戦26イニングを1人で投げきった。だが右ひじに疲労がたまり、痛み止めの注射を打ちながらの投球だった。引退後は一切の投球を控え「投げたい気持ちを押し殺してきました。1年間通して野球をしたことがないので、自分でも考えてそうしました」。だから1月の自主トレから体作りに専念し、遠投などで肩を慣らしてきた。

 力感がなくても強い球を投げられるフォームが理想だ。動画サイトのYouTubeで映像を見たのがきっかけで、前西武の工藤公康氏(48=日刊スポーツ評論家)を手本とする。「疲労がたまらない投げ方だと思うんです。無理なく、力を入れなくてもキレのある球を投げているので」。高校の図書館で同氏の著書も読み「30年くらいプロでやってきた方。僕も長く野球がやりたいので」と、息の長い投手を目指している。

 首脳陣の評価も高く、仁村2軍監督は「球に力があるし、おもしろい。5月ぐらいに(公式戦で)投げられれば」と、無理はさせない方針だ。マリナーズ岩隈の着けていた背番号「21」を背負い、釜田は「ケガなくキャンプを乗り切って、シーズンで100%にしたい」。徐々に本領を発揮していく。【斎藤庸裕】