広島福井優也投手(24)が8日、24歳の誕生日に“マエケン領域突入”を誓った。背番号「11」がケーキを前に「この背番号ぐらいは勝てるように。マエケンと比べても引けを取らないぐらいになりたい」と言い切った。新人イヤーの昨年キャンプはスロー調整だったが、今年は順調そのもの。プロの水に慣れた福井が、2年目に2桁投手の仲間入りを果たす。

 2年目は違う。24歳を迎えたこの日、福井は一流投手への仲間入りを誓った。

 「1年目はお客さんだった。2年目は1からのスタート。マエケンと比べても、引けを取らないぐらいになりたい」

 手探り状態だった昨年キャンプは、未知の世界に対する不安に悩まされた。左太もも裏痛などでスロー調整を余儀なくされた。日本ハム斎藤、西武大石と並び“早大ドラ1トリオ”の一角を担う福井のブルペン入りは、10日までずれ込んだ。だが、今年は青写真通り1日にブルペン入り。この日のフリー打撃登板でも“2年目福井”を見せつけた。

 迎、松山に対し、計53球で安打性は13本。ボールになった13球はいずれも際どいコースを狙ったものだった。フリー打撃では打たせることも重要だが「打たせたくないと思っていた」と負けん気の強さも発揮した。

 「まずはストライクが取れて良かった。基本的に真ん中で、捕手が外角に構えた時だけ狙った。左(打者)より、右(打者)の外角が良かった」

 ストライクへのこだわりには理由がある。昨年は27試合登板で8勝10敗、防御率4・12。新人でローテを守った半面、課題も浮き彫りとなった。リーグワーストの与四球「68」。リズムを壊した試合も多い。だからこそ、福井は前田健を理想像に掲げる。

 「(マエケンは先発として、最低限試合を作れる。崩れることない。僕は、立ち上がりで1回崩れたらね」

 新フォームの感触もバッチリだ。自主トレ期間から<1>右足が折れるのを防ぐ<2>左グラブを突きだし、左肩が開くのを防ぐ<3>左肩が上を向かないように<4>軸が二塁方向に倒れるのを防ぐ、を意識している。悪癖の結果で汚れまくったユニホームの右膝部分が、今年は真っさらで「良い感じ」と明かす。

 誕生ケーキを前に、福井は照れながらも「この背番号ぐらいはしっかり勝てるようにしたい」と誓った。2年目で2桁勝利を。プロの水に慣れた福井が、マエケン領域に突入する。【佐藤貴洋】