中日山崎武司内野手(43=楽天)が17日、シート打撃でエース吉見から復帰1号をカッ飛ばした。初の実戦形式の初球、第1スイングで仕留めた1発は、中日では実に10年ぶり。第2打席でもセットアッパー浅尾から右前打を放つ2打数2安打で「おじさん健在」と衰えぬパワーを見せつけた。ブランコとの一塁争いが伯仲だ。

 これが戦力外になった男の弾道か。山崎は高めに浮いた吉見の真っすぐを逃さなかった。特有の滞空時間の長い放物線が、左翼芝生席に描かれた。古巣復帰後、初の実戦形式となったシート打撃。その初球、12年初スイングで文字通り、名刺代わりの1発だ。10年ぶりに中日に帰ってきました弾。派手すぎる復活アピールだった。

 山崎

 何度も対戦したけど、シーズンではあんな所に投げてこない。でも自分のスイングができたし、幸先はいい。オジサン健在を見せられて良かったです。

 これだけでは終わらない。2打席目は昨季のセMVPで、知多市・八幡中の後輩に当たる浅尾撃ちだ。外角スライダーを右前へ。和田や森野ら主力が全員出場した中で唯一のマルチ安打。2打席凡退した一塁争いのライバル、ブランコを完全に圧倒。統一球対策として西武中村を参考に、重心を先寄りに変えた十数年ぶりのニューバットも好感触だ。

 山崎

 浅尾には球宴でやられましたからね。でもまだ6、7割の出来でしょ?

 ただブランコが(腰の張りで)3日間サボってた分、これで追いつけたかな。

 若手への手本でもあった。カウント1ー1の設定。2安打はいずれも第1ストストライクだった。

 山崎

 見逃したら1-2。(堂上)直倫やブー(中田亮)は初球を簡単に見送って打ち取られてる。歯がゆいね。追い込まれたらイチローだって苦しいよ。俺も野村オヤジ(元監督)にコンコンと教わって変わったんだ。第1ストライクの重要性を。それを打った方が安打の確率が高いのはデータも証明してる。

 前日の選手会決起集会では荒木、大島、平田らと同席した。「若手は俺に緊張してハイか、イイエだけ。焼き肉の味してないんじゃねえか?」。ヤマタケ節全開。頼もしいアニキが竜に帰ってきた。【松井清員】