ソフトバンクの新外国人レニエル・ピント投手(29=元マーリンズ)が開幕ローテーション入りに当確ランプをともした。18日の紅白戦で先発。3回を投げ、打者10人を無安打無失点、4奪三振。メジャーで244試合の救援出場を果たした左腕が、先発のイスをめぐる争いで1歩リードした。

 初の紅白戦のマウンドで先発ローテ入りを猛烈にアピールした。1回2死一塁の場面では4番松中から落ちるスライダーで空振り三振。2回も先頭の柳田を三振。3回には直球で李を三振にとり、最後の立岡もスライダーで空振り三振。無安打4奪三振と全く打者を寄せ付けなかった。

 「公式戦で投げるのに必要な投球をしようと思った。三振は意識せず、ストライク先行を考えて投げた」

 低めへの制球力と、出どころの見づらいフォームで打者のタイミングを狂わせる。12日はシート打撃とはいえ、打者10人を無安打に抑え、紅白戦でも無安打に抑えた。この日の最速は143キロだったが「数字以上に速いと感じている打者もいたね」と高山投手コーチ。「チェンジアップもスライダーも良かった」と秋山監督の評価も上々だ。

 メジャー244試合で救援登板した実績をリセットし、日本では先発を希望する。前日には休日返上で練習し、登板に備えた。高山投手コーチからは「中6日で120球投げられるように」と先発の条件を言い渡されたが、3Aや1月までのウインターリーグでは先発登板しており「ウインターリーグでは最高で115球を投げたことがある」と球数に不安はない。

 楽天・山口哲治スコアラーは「インステップから投げるメジャーではオーソドックスな投手。思ったより角度があって球がよく動く。シーズンに入ったら5~6イニングはいけそうな感じ」と分析した。

 「チーム事情では後ろに回る可能性もあるが、今は先発として考えている」と高山投手コーチは話し、ピントは先発有力候補に躍り出た。次の登板は23日を予定。これからもアピールあるのみ。「外国人枠の競争も気にしていない。自分ができることをするだけ。ベストを尽くしたい」。ピントの目は開幕ローテだけを見据えている。【前田泰子】

 ◆レニエル・ピント

 1982年7月8日、ベネズエラ・ミランダ州生まれ。00年からカブス傘下で経験を積み、06年にマーリンズでメジャーデビュー。5年間で244試合に救援登板し、通算231回で222奪三振、152与四球、防御率3・62。3Aでは通算46試合に登板し10勝5敗。196センチ、119キロ。左投げ左打ち。