阪神藤川球児投手(31)が28日、故郷の高知・春野で3月4日に行われるオープン戦オリックス戦に救援登板することを明かした。複数回の投球を志願。家族や地元ファンに勇姿を披露する。

 球児が思わず声をはずませた。「やりまっせ!

 投げますよ!

 大事にしています!

 投げられるのを楽しみにしています。春野球場だけは特別な場所」。高知商2年の夏は甲子園出場を果たした。3年夏は敗退。汗や涙がしみこんだフィールドなのだ。

 今季、2度の紅白戦登板でそれぞれ1回無失点。愛着のあるマウンドでは2イニングを予定する。山口投手コーチは「(複数回は)試したいことが多いからじゃないか。変化球とかクイックとか課題があるんじゃないか」と話した。10年も3月14日のウエスタン教育リーグ中日戦(鳴尾浜)で2回を投げており、開幕前にイニングまたぎを経験するのは珍しくない。今春キャンプでは新球シュート習得などに取り組んでおり、貪欲に実戦機会を求めた。

 藤川は今季中にも海外FA権を取得する。これまでもメジャー志向を口にしており、今回の凱旋(がいせん)は貴重な登板になりそうだ。「大勝負です。それに勝負をかけます。見に来てください」。10年2月28日オリックス戦に先発して以来、2年ぶりの春野で全力を込める。【酒井俊作】