さあ、2年連続開幕投手へ!!

 阪神能見篤史投手(32)が2月29日、充実の沖縄・宜野座の春季キャンプを打ち上げた。期間中、投手陣で最多の約1600球を投げ込むなど、今や風格すら漂う。それは計算し尽くされた歩みだった。ブルペンで投げた合計の球数を問えば、間髪入れずに返ってきた。

 能見

 (全部で)1500球ちょっとですかね。だいたい球数も決めて投げるようにしていた。(1回)100球くらい投げれば十分。(昨季は1回に180球を投げたが)それだけ投げると集中力も消えますから。

 今春キャンプでは量よりも質を追求した。投球動作のバランス、正確な制球、球威…。藪投手コーチも「投げている球が違う。体の切れもある。心配していない」と信頼を寄せる。開幕投手の話題が出ると、和田監督も胸中をちらりを明かした。

 和田監督

 早い段階で思いは持っている。いつ伝えるか。ある程度、ローテを決めた上で伝えるのが私の仕事。まだ試し足りないから、もう少し見てみたい。

 明言こそ避けたが、3月30日の開幕DeNA戦(京セラドーム大阪)の大本命は能見で揺るぎない。昨年11月にも指揮官は「周りの人が普通に考える(投手を)とね」と話していた。昨季は初めて開幕投手を務めて勝利。重圧に耐えた経験もまた判断材料だ。能見は「言われれば、もちろん。今はできることをやるだけ」。どこまでもクールなサウスポーが頼もしく映る。【酒井俊作】