<オープン戦:阪神0-4オリックス>◇3日◇安芸
センターテストから2次試験へ。阪神の外野レギュラー争いが混戦の実戦ラウンドに入った。ドラフト1位伊藤隼太外野手(22=慶大)がオープン戦初安打を放った。
相当、悔しかったのだろう。いつも冷静な伊藤隼が珍しい行動を取った。天を見上げ、バットを頭上に掲げた。理性が働かなければ、そのままたたきつける勢い。2回2死の初打席。オリックスの左腕中山と対し、外角スライダーをファウルした直後。2ボール2ストライクから内角直球をズバッと決められ、手が出なかった。ふがいなさから熱くなった。
伊藤隼
この前の試合でも(見逃し三振が)あった。1打席が終わって、取り返すチャンスはあるんだと切り替えていきました。
前戦2月28日の練習試合DeNA戦でも初打席を含め、2度の見逃し三振。抑えきれない思いをバットに込めた。7回2死二塁、高橋秀の初球、外角直球をミート。低い弾道のライナーで二遊間を抜いた。初めて降り立った高知・安芸でオープン戦初ヒット。幾多のルーキーをチェックしてきた元1軍キャンプ地の虎党にグラウンドからあいさつした。
伊藤隼
(前打者の)良太さんがなかなか打てない中、1本(二塁打)打ってくれたので、初球からどんどんいこうと思った。
1カ月間の沖縄・宜野座キャンプを終えた。時には先輩田上と野球珍プレー集のDVDを観賞して心をほぐしたという。だが…。常にファン、報道陣の注目を浴び、朝から晩まで練習漬けの毎日に苦労がない訳がない。髪の毛には白いモノが増えた。生き残りを懸けて必死だ。
当面の目標は開幕中堅レギュラー。まだまだ何段も、階段を上らなければならない。和田監督は期待が大きいからこそ、あえて厳しい言葉をかけた。「あの辺(見逃し三振)が彼の課題。プロの配球についていけてない。ポイントが近くて窮屈なバッティングになっている。打球が弱々しく見える」。もう、3・30まで1カ月を切った。早くもルーキーから1軍選手への脱皮を期待されている。
伊藤隼
今の方が状態はいい。フリーバッティングでいい形で打てるように、試合で出来る訳ではない。今日みたいなセンター前の回数を増やしていきたい。
伊藤隼も分かっている。ルーキーという立場は、とうの昔に捨てている。【佐井陽介】



