<オープン戦:オリックス0-3阪神>◇4日◇春野
故郷高知で球児が捕手の講師役!!
阪神藤川球児投手(31)が登板し、志願の2回を無失点に抑えた。岡崎とバッテリーを組み、配球面で指導した。藤井彰が左脇腹を負傷離脱して、正捕手不在の大ピンチ。チームの一大事で守護神が積極的に動き、和田阪神のオープン戦初勝利を呼び込んだ。
ノスタルジーに浸る間もなく、藤川がマウンド上で精力的に動いた。見せ場は4回だ。先頭坂口への初球はカーブで入り、2球目は146キロ速球で空を切らせた。わずか3球で中飛に詰まらせる。バッテリーの意志が表れた対戦だった。
藤川
岡崎と対外試合で組むのはあったか、なかったか、くらい。コンビネーションをやってみました。ストレートを生かすため、こういうことをしようということ。うまくいった。
速球を生かすための変化球の使い方、ゴロの打たせ方…。岡崎と何度もコミュニケーションを図り、守護神の投球術を伝えた。コンビは09年4月16日中日戦(甲子園)以来、3年ぶりだ。正捕手の藤井彰が左脇腹を痛めて離脱。若手捕手に奮起を促す意図もあった。
藤川
藤井さんは間に合うと思う。(捕手とのコミュニケーションは)藤井さんがいても、いなくても、急にやるのではなくてね。普段から努力してやれば気負いなくできる。矢野さん以来、1年ごとに捕手が代わって、自分としてつらいところ。今の時期だから、できることもある。
常に若手捕手に気を配ってきた。沖縄キャンプのブルペン。投球を終えると、捕球した小宮山とキャッチングなどについて話し込んだ。前日3日も安芸のブルペンで清水に捕球の体勢を指摘した。圧倒的な存在感がナインの気を引き締め、勝利につながっていった。
09年WBCなどで対戦した李大浩(イ・デホ)内野手(29=韓国ロッテ)との対決では勝負師に徹した。6球目フォークをとらえられ、左翼へ二塁打を浴びた。それでも笑顔で受け流す。
藤川
いい打者です。でも、打ち取り方はある。交流戦でも対戦するので、全部は見せられない。打ち取る球はあったけど、試しにフォークを投げて少し抜けた。ああいう球は強い。
公式戦の大勝負を見据え、あえて手の内を隠した。
昔から春野球場はチャレンジの舞台だった。小学校の頃、オープン戦の西武-阪神戦の観戦に出かけた。「清原さんとか、みんな、あまりにもデカすぎて。子供は、やっぱり強いものにあこがれる」。プロ野球選手を夢見て、高知商では甲子園出場もかなえた。
この日は課題のクイック動作でグラブを首の位置に添える工夫を凝らす。伊藤には新球シュートで内角をえぐる。息つく間もなく挑戦するのが、藤川のポリシーだ。「時間が過ぎるのが早くて、もっと投げたかった。いずれ、草野球でもやりたいですね」。家族や恩師が見守る前で攻めの姿勢を貫いた。【酒井俊作】
◆藤川VS李大浩
2度の国際大会で3打席対戦し、1打数無安打。初対決は08年8月22日の北京五輪準決勝で、四球。09年のWBCでは2度対戦。3月9日の第1Rでは四球、同19日の第2Rでは中飛だった。



