日本ハムの斎藤佑樹投手(23)が、明日10日に行われる東日本大震災復興支援試合の台湾戦(東京ドーム)で、いよいよ日本代表デビューする。出番が保証されているわけではないが、救援で1イニングの可能性が高い。「100%の力で投げることを考えたい」と全力投球の誓いを立てた。侍ジャパンでの経験を糧に、シーズン開幕へと一気にモチベーションを上げていく。

 憧れの日本代表ユニホームでプレーする日が、刻一刻と迫ってきた。8日、台湾戦へ向け北海道から東京へと空路、飛び立った斎藤は、静かに代表戦への思いを口にした。「全力プレーは当たり前。復興マッチという場に立てるのは幸せだし、勇気を与えるという意味合いの試合に出られるのは、うれしいですね」。浮かれる様子は少しもなく、時々考え込みながら慎重に言葉を選んだ。

 開幕投手候補に挙げられながらも、今年に入ってからは練習試合やオープン戦で結果を残せずにいる。「(侍ジャパンは)気持ちを高めてくれる場になるでしょうね」。高校、大学、そしてプロと、各世代で日の丸を背負うことになった斎藤は、代表戦の経験が自身の成長につながることを知っている。楽天田中、巨人沢村と、同年代の侍戦士の存在も刺激になるはずだ。

 栗山監督は「ああいうところ(日本代表)にいるのが当たり前で、斎藤佑樹というのがどういう存在なのか確認してチームに帰って来てほしい」と、大きな“手みやげ”を期待して送り出した。くしくも、日本ハムの前エース、ダルビッシュ(レンジャーズ)から、日の丸の背番号11を受け継いだ。エースと呼ばれる日を目指して、初の代表戦で貴重な“何か”をつかむ。【中島宙恵】