<オープン戦:阪神1-3ヤクルト>◇14日◇甲子園

 ヤクルトの「ボルト」、ドラフト3位ルーキー比屋根渉外野手(24=日本製紙石巻)が11連続盗塁成功で、開幕1軍を決定的にした。阪神戦の6回無死一塁から代走で起用されると、6番宮本の初球にスタート。捕手がボールを落とす間に、悠々と二塁に到達した。「社会人の時から、知らない投手でも初球から行ってました」と、思い切りいいスタートが持ち味だ。

 これでオープン戦は11日以降3試合で4盗塁。50メートル5秒9の俊足で、練習試合7盗塁と合わせて、15試合計11盗塁を失敗なしで走り続ける。前日は2球目、この日は初球と早いカウントでスタートし、打者に負担をかけない点も大きい。マウンド上の阪神小林宏のフォームはテレビで研究。クイックが速くないと判断し、好スタートにつなげた。

 当初、今季は2軍で試合経験を積ませる構想だった小川監督の評価は一変している。「足という武器をチーム力に変えてくれる選手。使いどころが大事になる」と、1軍戦力として計算されるようになった。

 二盗後は、投ゴロで三塁に好走塁で進み、暴投でホームインした。1点差に迫られた直後、足で貴重な追加点をもぎ取った。【前田祐輔】