<オープン戦:中日1-6日本ハム>◇14日◇小牧

 06年パ・リーグ新人王の日本ハム八木智哉投手(28)が、開幕ローテーション入りを確定させた。先発し、5回を4安打1失点と好投。今季の実戦は5試合15イニングに登板し3失点と安定しており、首脳陣は武田勝、ケッペル、ウルフ、斎藤に次ぐ開幕ローテ入りを決めた。

 今季へ懸ける思いを、55球に凝縮した。八木が5回を4安打1失点にまとめた。「先発争いできる投手が多い。変な打たれ方をしたらイメージがよくないと思った。前の試合が流れた分、自分自身は大事な試合だと思っていた」。正念場と位置づけた一戦で、見事に結果を残した。栗山監督は「ローテの1人?

 基本的にそう考えてきているし、今日もアピールしてくれてる。そういうこと」と、先発6人のうちの1人として構想を固めた。

 八木自身が話す通り、先発予定だった9日のオリックス戦が中止になったことで、アピールの場は他の投手よりも減っていた。前回登板からは中10日。「気持ちの持っていき方は難しかった」と振り返ったが、与えられた時間を、トレーニングなどで有効に使った。「いろんな練習ができたし、体を整えることができた」。発想を転換し、キャンプ終盤から疲れがたまっていた体を、うまく“ガス抜き”することに成功した。

 失点は5回に和田に許した1発だけ。それでも、そこが課題にもなった。この本塁打を含め、4安打中3本が初球を打たれたもの。「初球の入り方。早いカウントで打たれた」。やや慎重さには欠けたが、バッテリー間の意図疎通で修正は可能。4回には得意のけん制で一塁走者を刺すなど、持ち味は存分に発揮した。

 開幕ローテをつかんだ一昨年は、最初の登板で9失点し、シーズン1勝に終わった。「次(の登板)も守りに入らず、しっかりと打者に向かっていきたい。いいゲームが出来るように心掛けたいです」。同じ轍(てつ)を踏まないために、最終調整に余念がない。【本間翼】