<オープン戦:ロッテ6-5阪神>◇16日◇QVCマリン

 単独最下位?

 ご心配いりません。逆転負けしたロッテ戦、打線の復調が収穫だ。6回に“最強”7番金本知憲外野手(43)のオープン戦初長打となる適時二塁打など打者9人、5安打を集中させて4点を奪取。前日の完封負け後「鳴かぬなら…」と秀吉流で仕掛けをにおわせていた和田豊監督(49)も動き、ベテランが打線を活性化させた。

 ベテランのひと振りが、垂れ込めていた暗雲を振り払った。6回、満塁からブラゼルの2点打で勝ち越し、なお2死一、二塁。7番金本がフルカウントで、左腕松本のスライダーを巧みにとらえた。右翼線に運ぶタイムリー二塁打はオープン戦初長打。打者9人による4得点の猛攻で、その中心に背番号6がいた。右肩負傷から完全復活を目指すシーズン開幕へ。4月3日で44歳となる男の状態は、そのバットが悠然と語っている。

 前日15日のDeNA戦でオープン戦5度目の完封負けを喫した。勝敗にこだわる時期ではないが、貧打という現実に不安は高まる。モヤモヤした雰囲気で、存在感を発揮するのは、やはりベテランだ。甲子園で初めて守備に就いた14日のヤクルト戦でも、適時打を放っていた。現状、オープン戦は日替わりで4番をテスト中。金本の4番起用を問われた和田監督は「これから考えること。ただ、試合数が少ないので」と積極的な姿勢は見せなかった。だが下位打線に組み込むには、もったいない勝負強さを発揮している。

 和田監督

 シーズンに入っても、かみ合わない時期はある。こういう時期を乗り越えていかないといけない。勝てないと、雰囲気が微妙なところもあるだろうけど、今しかできないことをしっかりとやっていく。

 攻撃陣は浮上の兆しを見せ始めた。その裏には、首脳陣の動きがあった。和田監督は「鳴かぬなら…」と秀吉流の仕掛けをほのめかしていた。この日、各打者に指示を与えていた。

 片岡打撃コーチ

 追い込まれてもいいから、狙い球を絞っていこう。中途半端に行かずに思い切って、空振りしてもいいや、のノリでいこう。

 待っていても、事態は好転しない。状況を打破するために、開幕前では異例とも言える「作戦」を決行した。3番鳥谷からマートン、ブラゼルの中軸に3連打が飛び出し、金本も続く。選手が即座に反応。公式戦でも好不調の波はある。スランプ時を想定した形にもなった。片岡コーチは「オープン戦と言えども、点が入っていなかった。主力が塁に出て、点が入れば、リズムが出てくる」と静かに話した。

 8回裏に中継ぎ陣が逆転を許し、4連敗で最下位に転落。和田監督は「この時期とはいえ、今の位置は気分が良くない。チーム状態を良くして、開幕に向かっていきたい」と、もちろん現状に納得していない。味わいたくないイヤ~な経験も、本番への反発力になる。開幕まで残り2週間。チームには頼りになるベテランがいる。「底」を脱して、3月30日に仕上げていけばいい。【田口真一郎】

 ◆和田監督の秀吉流発言

 15日のDeNA戦(横浜)で5安打完封負け。オープン戦5度目、セ・リーグ相手には1分け5敗となった。試合後、和田監督は「開幕が近づくにつれ、気持ちも入っていくというところもあるが、待っていてはダメ」と話し「チーム全体が打てないと苦しいかもしれないが、鳴かぬなら…、というところ。オレの性格を読み取ってくれ!」と何らかのテコ入れを予告していた。