<オープン戦:西武3-6阪神>◇18日◇西武ドーム
阪神藤川球児投手(31)がまたまた異例のアクションだ。今季初めて、定位置の9回に登板した。140キロ台後半の剛速球を容赦なく投げ込み、1死を奪った後だった。熊代を1ボール2ストライクに追い込み、4球目。投球直前、右手で左腕を数度触り、小宮山に向けてサインを出す。鮮やかな外角低めフォークで空振り三振。珍しい光景は捕手をリードする意志の表れだった。
危なげない3者凡退で、12年の初セーブをマーク。そんな事象よりも、公式戦ではおそらく見ることがないサインを出すしぐさがクローズアップされる。捕手の小宮山は「スムーズに、テンポよくいくため」と詳細を明かさなかったが、有田ヘッドコーチも「(ドームが)暗くて見えづらいのもあるんじゃないか」と補足した。
4日のオリックス戦(春野)では岡崎とコンビを組み、投球の考え方を伝えていた。「矢野さん以来、1年ごとに捕手が代わって、自分としてつらいところ」とも話す。若手捕手の成長を願うからこそ、小宮山とも積極的にバッテリー間で“対話”した。
これまでは変化球を多投したが、この日は昨季までの公式戦のように直球主体で攻めた。「先頭打者にアウトコース真っすぐで空振りを取れたら上等だったけど、ショートゴロになった。もうちょっとです」と振り返る。
ヘルマンに内角高め速球で空を切らせ、生命線の火の玉ストレートは健在だ。前日17日の練習で左足を引きずり、この日もウオーミングアップのダッシュを別メニュー。投げっぷりで、不安を一掃した。「体をいじめてね。もう1回、追い込みますよ」。今後は本番前に最後、強く負荷をかけた練習を行う。圧巻の内容を示す守護神に死角はない。【酒井俊作】



