<オープン戦:DeNA3-0オリックス>◇21日◇横浜

 DeNAの下園辰哉外野手(27)が開幕スタメンへ猛アピールした。2打席目の3回、2死満塁から左前へ先制の2点適時打をマークした。「打ったのはスライダー。ファームから上がってきて早くヒットを打ちたかった。絶好調です」と笑顔で話した。

 ラミレスをケガで欠く布陣に、タイミング良く光明が差し込んできた。中畑監督は「流して良し、引っ張って良し。完成度の高いバッター」と高く評価した。昨年はシーズン途中から1軍に定着し85試合出場、打率2割6分5厘と存在感を見せた。だが、今年1月の自主トレ中に左ひじを痛め、キャンプは2軍暮らし。20日にようやく1軍昇格したばかりだった。

 この日「3番左翼」で初先発すると、左投手を苦にしない持ち味を発揮して、左投手から2安打2打点をマークした。20日の楽天戦後、球場内の風呂場で中畑監督と一緒になった時、「気楽にやれよ」と声を掛けられたという。「テレビでしか見たことがなかったので、監督の元気さに引くかと思ったけどそんなことなかった。距離が近い感じがした」と、肩の力が抜けた。

 開幕戦は阪神の左腕エース能見との対戦が濃厚。中畑監督は「左投手だから右打者というセオリーを無視した野球をやりたい」と話し、下園起用の可能性を示唆。機動力や奇策を用いる「せこいぜ野球」に新たなピースが加わった。【鳥谷越直子】