<オープン戦:西武8-5中日>◇21日◇西武ドーム

 中日の開幕ローテ6人衆が内定した。最終テストになった山内壮馬投手(26)が2回0封。先発6番目の男の座をつかんだ。3月30日からの開幕広島3連戦(ナゴヤドーム)は吉見、川上、山本昌。2カード目のDeNA戦(横浜)は中田賢、雄太、山内が濃厚。開幕ダッシュへ、高木守道監督(70)が自信を持って送り出す。

 先発第6の座は山内が射止めた。最後のテスト登板になった西武戦。5回から3番手で登板し、2イニングを無失点でまとめた。6回には中島に唯一のヒットとなる二塁打を浴びたが、140キロ台中盤の真っすぐと変化球のコンビネーションで4番中村と5番嶋を料理。同じテストを受け、2回2失点だった山井とは対照的な結果を残した。高木監督は「山井は微妙だね。いつもまとまって点を取られる。山内はいいね」とローテ争いに決着をつけた。

 これで3連覇に挑む守道流の開幕6人衆が内定した。開幕の広島3連戦は吉見、川上、山本昌。通算379勝、全員が最多勝経験者の豪華3本柱を惜しみなく注ぎ込み、一気の3連勝を狙う。一転2カード目のDeNA3連戦は中田賢、雄太、そして山内。次代を担う3人が開幕ダッシュの加速役を担う。ネルソンやソトが故障中でも層は厚い。「投手陣はみんないいんだよ」。高木監督が自信を持って送り出す6人の男たちだ。

 山内は5年目で初の開幕ローテ入りとなる。年明けから「チェンも抜けたし、1年間ローテを守って2桁勝ちたい」と意気込んできた。その言葉通り、2月からの実戦6試合は16イニングで自責わずか1。昨季自己最多の9試合に先発し、3勝したことも大きな自信だ。最速142キロからの球速アップを目的に、体重を5キロ増の86キロに増量。浅尾らとのグアム自主トレで、上半身と下半身を鍛え直したことも、この日までの好結果につながっている。

 「0点に抑えられたのはよかったけど、修正しないといけないところもあります」。ローテ入りを確定させても、山内が浮かれることはなかった。本当に大事なのは本番。監督交代で勢いづく中畑DeNAを止めなければならない。今回のローテでは最年少の26歳。高木監督もその若さを買っての抜てきだ。この男がブレークすれば、グッと3連覇は近づく。【松井清員】