<オープン戦:オリックス9-5阪神>◇24日◇京セラドーム大阪

 T-岡田外野手(24)の復活打が大勝虎狩りを呼んだ。苦しんでいたオリックスの若き大砲が久しぶりにHランプをともし、打点を挙げた。前夜のドロー劇にミーティングで野手陣に活を入れた岡田監督も満足そうに笑う16安打9得点のヒットパレード。阪神投手陣がちょっと元気にさせすぎちゃったかな。

 暗く長いトンネルに光りが差した。T-岡田が、両足を踏みしめて構えた。2点リードの5回、3番後藤から単打3本でできた無死満塁。スタンリッジの140キロの外角球をシャープにはじき返し中前に適時打を運んだ。

 「三塁走者をかえす、つなぐことを意識して、入った。全員で1点をとることを意識したい。1本出るとどんな形でも楽になる」

 これが実戦21打席ぶりの安打で、オープン戦は7戦ぶりの2打点目。苦しみ抜いた長距離砲が、一塁上で笑った。

 李大浩からの4番奪回を掲げるシーズン。ノーステップ打法の精度アップを目指したが、試合で結果が出ない。「体が早く反応しすぎる。体を振ってしまう」。左足でボールを押し込む感覚を重視したが、体の開きが早くなった。ボール球を振る悪癖を顔を出して、開幕スタメン落ちのピンチにさえ陥った。そんな崖っぷちで、お目覚めの適時打。7回にも三塁打を放った。マルチ安打は11日中日戦以来だった。

 試行錯誤の日々だった。練習中にノーステップ打法を捨てて、右足を上げて踏み込む打撃も試した。雨でDeNA戦が流れた17日には横浜スタジアムの狭い通路で、キャプテン後藤から身ぶり手ぶりでアドバイスも受けた。この日はティー打撃中に阪神藤川と会話。チームの垣根を越えて、自然と野球の話になった。T-岡田は「詳しくはいえないですが」と詳細はふせたが、投手目線でのヒントも受け取った。

 6番T-岡田の適時打に続き、7番バルディリスの犠飛、8番斎藤のスクイズでこの回3点。終わってみればオープン戦最多の16安打9得点で阪神を粉砕し、岡田監督も満足げだ。

 「ボールも飛ばなくなった。ランナーをためて大きいの狙うとかじゃない。ヒットよ、ヒット。後ろにつないでいくしかない。ホームランは出ないって」

 3-3で引き分けた前夜は打者に、後ろにつなぐ意識の徹底を求めた。オープン戦でチーム本塁打は高橋信の1本だけだが、理想の勝利は、豪快な一発攻勢じゃない。つなぐ攻撃で、岡田オリックスが開幕ダッシュをかける。【益田一弘】