ソフトバンク松中信彦外野手(38)が開幕4番へのラストアピールに成功した。28日、福岡ヤフードームで行われたシート打撃で最終打席に3ラン。DH枠を争ってきたカブレラの開幕戦欠場が決まり、ペーニャも低調とあって、上昇カーブを描く元3冠王に対する期待度はグッと上がった。開幕4番となれば3年ぶりだ。
やはり本塁打が似合う。開幕前、最後のシート打撃で松中が快音を残した。2打席凡退で迎えた最終打席。甲藤の1ボール2ストライクからの内角ベルト付近の直球をさばいた。バットを体に巻きつけ、きれいに腰を回した。「いい当たりだった」。アーチと短い言葉で、体内で大きくなってきた自信を表現した。
DH争いの最終コーナーで、首脳陣に絶好のアピールとなった。けがのためカブレラは開幕メンバーを外れた。新助っ人ペーニャは変化球への対応に苦しんでおり、オープン戦で12球団最多の20三振を数えた。驚異的な飛距離もバットに当たらなくては披露できず、この日も2三振。松中は最後のオープン戦となった25日広島戦でも先制適時打を放つなど上昇カーブを描き、期待度が高まるのは自然な流れだ。
選手起用について、秋山監督は「その時に一番調子のいい選手を使う。分かりやすいだろ」と、合理的な方針を出している。言葉通りならDH争いは松中有利に傾き、固定できていない4番も見えてくる。松中は、オープン戦中に結果を出しても「いいところでしか出番はないと思う」と、代打要員という立場を受け入れる思いを口にした。ただ状況は変わってきた。
松中は09年まで7年連続で開幕4番を務めた打線の顔。ここ2年は小久保とカブレラに譲った。昨年は9月に右膝を骨折しながら打率3割8厘、12本塁打。クライマックスシリーズでも代打満塁弾を放ち、勢いを今季に持ち込んだ。純粋な生え抜きとして唯一残る16年目のスラッガーに3年ぶり大役を務める可能性が出てきた。【押谷謙爾】



