ソフトバンク松中信彦外野手(38)が3年ぶりの開幕4番で復活する。今日30日のオリックス戦(福岡ヤフードーム)で連続日本一への戦いがスタート。キャンプからの競争を勝ち抜いた元3冠王が“定位置”に戻った。首脳陣は日替わり4番構想を示すが、結果で死守すると誓った。通算350本塁打まで残り2本とモチベーションも高い。
雄弁だった。立花打撃コーチから開幕4番を言い渡された松中は純粋な気持ちを口にした。
「本当にうれしいですし、応えられるようにしたい。レギュラー、4番のあり方を見せたい」
小久保にペーニャ、カブレラと大砲4人によるスタメン争いは実力勝負。調子を優先する首脳陣のハートをガシッとつかんだ。
オープン戦は打率こそ1割5分4厘。代打も多く1打席ごとの感覚を大切にし、22日の日本ハム戦で逆方向への左前打に「ああいうのが出てなかったので、いい」。28日のシート打撃でも1発と、開幕に合わせて状態を上げてきた。「体調は本当にいい。自分でもここだけは自信を持っていける」と胸を張った。
09年まで7年連続で開幕4番ながら、ここ2年は小久保とカブレラに譲った。3年ぶりの大役へ心構えもよみがえる。「144試合フルで必ずスタメンで出て負けた時の責任をとるのが、エースと4番。重みがある」。期待には結果で応え、批判も受け入れる覚悟をみせた。
秋山監督は開幕前日会見で4番について「去年はけがの部分もあって、みんなで補いながらやってきた。今年も近い形。なかなか固定できないところで、調子がいい選手が試合に出る」と、日替わり構想を語った。これに松中はいい意味で反発した。「最近は4番がころころ変わっている。僕が奪いたいという気持ちが上がった。ドシッとしないとチームは締まらない」。強打線において長く4番を務めた自負、そして現在の自信がにじむ言葉だろう。
昨年は代打から出番を増やして打率3割8厘、12本塁打。CSでは代打満塁弾を放った。オフには復活にかける思いを何度も口にした。「あの満塁本塁打で日本シリーズの打席はわくわくできて、やっぱり、これだと思った」、「終わるんじゃないかと思われていたのを覆したのは自信になった」。ここ2年は故障もあり、出場が100試合を割った。開幕から全力で臨める喜びで士気は高まる。指名打者ではなく、左翼守備に就くことも決まった。
通算350発まで残り2本という近い目標もある。「悔いのない4打席にしたいです」。3年前の開幕も同じオリックス戦。4番松中は3打数3安打5打点と強烈なインパクトを放った。平成唯一の3冠王が今夜“定位置”に戻る。【押谷謙爾】



