<オリックス1-3西武>◇29日◇京セラドーム大阪

 オリックスベンチに充満するこの重苦しさは、何だ?

 西武に連敗し昨年6月3日以来の単独最下位に転落。借金は今季ワーストの6となったとはいえ、開幕から23試合を終えただけ。まだ挽回できる時期なのに、重いムードにはまりこんでいる。

 前日28日、ふがいない敗戦を球場で目の当たりにした宮内オーナーが激怒。「勝つ気がなかったんちゃう?」と辛口コメントでカツを入れたばかりだったが、チームに反発力はなかった。10安打しながら得点は6回にバルディリスが放った2戦連発の1点だけ。1-2の8回に必勝セットアッパーの平野を出し、9回は香月に託したが内野安打と与四球から致命的な3点目を失った。「1つアウトを取っていれば流れは変わっていたんですが」と赤堀投手コーチ。T-岡田ら中心打者が故障で不在。得点力が見込めない中でのやりくりも実らなかった。

 今季は優勝を目指し、韓国の大砲・李大浩らを獲得し戦力整備したが金子、寺原ら主力投手に故障が相次ぎ、歯車が狂ったチームは低迷。元気だったT-岡田や高橋信も離脱した。

 初回1死満塁で併殺打の北川は顔をゆがめ、敗戦の責任を背負った。「きょうは、ぼくです。試合に出ているぼくらでムードを変えていかないと」。やるべきことはわかっていた。だから、悔しがった。

 これで3カード連続の負け越し。岡田彰布監督(54)は19日から試合後に記者会見を行っていない。この期間の成績は2勝7敗。オリックスがもがいている。【堀まどか】

 ◆宮内オーナーの激怒

 28日に京セラドーム大阪で西武戦完敗に「調子が出ないのか、弱いのか、どっちかな。今日のゲームはひどいね。勝つ気がなかったんちゃう」と激しい言葉で批判。「(先発)西もひどいし、ベンチもひどい。ああいうゲーム運びをしたらいかんわ」と、珍しく采配に踏み込んだ。