<西武2-12楽天>◇2日◇西武ドーム

 打ちまくった。楽天が今季両リーグ最多の19安打で、今季初の2ケタ得点となる12点を挙げて大勝した。西武先発の岸に9安打を浴びせて6点を奪い2回KO。最近3年で6連敗中だった天敵を攻略した勢いに乗って、球団新記録にあと1本と迫る19安打の猛攻。エース田中、守護神ラズナーが故障離脱する中、打線が奮起して今季2度目の3連勝だ。

 楽天ベンチの大声が鳴りやむことはなかった。3点リードした2回、1死から1番聖沢、2番高須、3番松井が3連打。単打でコツコツ、得点を積み重ねる。本西三塁コーチの右腕もぐるぐる回る。そして2死一、二塁となって5番牧田が岸の高め直球をフルスイングし、走者一掃の三塁打。6連敗中だった西武岸をあっという間にKOした。星野仙一監督(65)は「岸から打ったんだからすごいよな」と打線のつながりを満足げに振り返った。

 今季両リーグ最多19安打、チーム最多の12得点で「楽天デーブ打線」がお目覚めだ。昨年秋季キャンプから大久保打撃コーチが指導を開始。代名詞である「アーリーワーク」はもちろんだが、徹底した打撃の方針が結果として徐々に出始めた。

 「直球にさしこまれるな」。2月のキャンプ。最初の驚きは本来は打者-投手間は18・44メートルの距離を12メートルに短縮し、体感速度約170キロのボールで打ち込みを繰り返した。「基本はまっすぐを打てる力がつかないといけない。球速を速くすることで、体が反応するようになる」ことが目的だった。

 基本的には「外角を狙う」。外角のボールを見ることで体は開かなくなる。そうすればボールは直前まで見極められる。四死球数78は日本ハムについで2位。選手が忠実に動いている証拠だ。4月29日に日本ハム武田勝から完封負けを喫し、結果がなかなか出ないこともあったが「結果なんてすぐに出るわけがない。今は辛抱するとき」と大久保打撃コーチの徹底したチーム方針が変わることはなかった。

 前回登板でも得点を奪えなかった岸に対して、この日は直球にも振り負けず、すべての球種を打ち崩した。「作戦だから言えないけど、チームとして徹底した攻撃ができた。連打は無理だと思ってたけど、できたのは選手の能力が上がったということ」と、同コーチは手応えを口にした。つぼみが咲き始めている。

 この2戦で西武牧田、岸の好投手を打ち崩し3連勝。星野監督も「大きいよ。大きい」とうなずいた。今季初の先発全員安打もマーク。楽天打線が本領を発揮し始めた。【斎藤庸裕】